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日本人の食と病いについて〜放射能編その4〜

 2011年3月11日の東日本大震災に伴い発生した東京電力福島第一原発事故から2年9カ月経過しました。事故は収束するどころか、高濃度の放射性汚染水が海洋・土壌へ流出・漏出していることが明確になってきました。また、事故当時に拡散した放射性物質が雨風で再拡散することや、全国各地で実施されている震災がれき処理による大気中へ拡散も懸念されます。放射性物質で汚染された食品に関する報道が減り、逆に復興支援の名の下に福島県産の食材を積極的に利用しようという動きもあります。
 放射性物質による被曝は、低線量であっても長期に渡って人体へ影響することが危惧され、当診療所では原発事故後、放射能関連カラーを治療に使用し、反応者数・反応カラーについて調査を継続しています。以下に放射能関連カラーの反応出現率(月毎)のグラフを提示します。

 カラーの反応出現率は徐々に増加し、幾つかピークがあるのが特徴的です。春の山菜摂取や、夏から秋にかけての台風の時期に一致して反応者が増えていた印象があります。今年の8月以降カラーの反応出現率は減少傾向にあり、カラー治療の効果や生活指導が功を奏していると考えたいところですが、今後もカラー治療・調査を継続していきます。
 次は、前回このコーナーでお示しした福島の県民健康管理調査の小児の甲状腺検査の続報です。当診療所の所長が予測していたように、甲状腺癌の発症が増加しています。調査検討委員会は2013年11月、これまでに225,537人中26人が甲状腺癌と診断され、33人が甲状腺癌の疑いであると発表しました。疑いを含む計59人の患者の年齢は、震災当時6〜18歳、平均は14.8歳でした。委員会側は相変わらず、現時点では原発事故による甲状腺癌の発症ではないとの見解を示しています。その根拠として、チェルノブイリ原発事故の場合4〜5年以降に甲状腺癌が増加したこと、また患者の年齢分布が乳幼児に多かったことなどを挙げています。
 以下に、1986年に発生したチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌に関するグラフを提示します(出典:「原発事故と甲状腺がん」 菅谷昭・著 幻冬舎ルネッサンス新書)

 著者の菅谷氏は現長野県松本市長ですが、外科医であり、1995年〜2001年チェルノブイリ原発事故後の医療支援活動のためベラルーシ共和国に渡り、国立甲状腺がんセンター等で小児甲状腺癌の外科治療等を行った方です。
 上記グラフは、著者がベラルーシ国立甲状腺がんセンターから入手した資料です。原発事故から5年目の1990年から甲状腺癌が急激に増えて29例となり、10年目の1995年には91例とピークに達しました。IAEA(国際原子力機関)が小児甲状腺癌と原発事故との因果関係を認めたのはこの年でした。
 原発事故3年目でベラルーシでは小児の甲状腺癌が11名(2+4+5)、福島では26名となります。母集団が異なるためこれだけでは単純に比較できませんが、次に人口10万人に対する発生頻度のグラフを提示します。

 今回の福島県の発表では225,537人中26人が甲状腺癌と確定したので、人口10万人当たりに換算すると事故から2年8ヶ月後で累計11.5人となり、チェルノブイリの1995年の小児のピーク値4.0人をもはるかに超えており、明らかに高い発生頻度ということが分かります。このようなデータが存在するのに、いつになったら原発事故と福島の小児の甲状腺癌との因果関係が認められるのでしょうか。
 最後にお伝えしたいのは、日々口にする食品に関してです。厚生労働省が発表している食品中の放射性物質(セシウム)の検査結果によると、2013年度基準値を超過した品目は、山菜、野生鳥獣肉(イノシシ、クマ、シカ等)、キノコ、水産物、玄米、大豆等でした。新潟県では10月にキノコ(湯沢の野生チャナメツムタケ)から基準値100Bq/kgを超過する230 Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。食品からの内部被曝を少しでも防ぐために、放射性物質による食品の汚染傾向を把握する手段としてお勧めしたいのが、「マダムトモコの厚労日報ダイジェスト(setagaya-kodomomamoru.jimdo.com/)」というサイトです。厚労省から発表される、全国自治体による膨大な量の放射性物質検査結果をダイジェストにして登録者にメール配信してくれます。基準値超過品目のみならず、放射性物質が検出された食品について、放射線量と地方自治体名が掲載されています。
  3年前のこのコーナーにも記しましたが、暮れが押し迫ったこれからの時期は、忘年会やクリスマス、年越し、正月、新年会と、外食や既製品を召し上がる期会が多くなるのではないでしょうか。その分、食品からの放射性物質を摂取するリスクが増えるものと思われます。 内部被曝を減らす手段としては、食べ過ぎないことと、取り込んでしまったものはなるべく早く排泄するということが大事です。尿や便からの排泄を促すためには、当診療所の生活指導にある十分な飲水と、芽胞乳酸菌製剤の服用が有効です。また放射性物質からの影響を減らすために、放射線防御機能があると言われている食品(抗酸化作用のある野菜や果物、発酵食品等)があり、次回はこれらについて情報提供したいと思います。

(2013年12月26日 記:宮下、監修:丸山)


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