WebMasterの独り言

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2017年12月28日 心と身体・その2

 当診療所はカラー治療という一種の経絡治療を行っています。経絡治療の前提として、経絡という気の流れの存在が位置づけられています。気の流れの滞りを何らかの手段で改善するのが経絡治療であると私は理解しています。気の流れの滞りの原因は各種あり、感情もその一つです。中国伝統医学の考え方では七情と称して喜・怒・思・悲・恐・驚の七つの感情が度を過ぎるとそれぞれ異なった臓腑に影響を与えるとしています。例えば思慮が過ぎると脾(消化機能)が弱まり食欲不振となる、などです。臓腑の考え方はやや難解なのでここでは割愛しますが、要は感情の種類によって症状が現れる部位が異なるということが、古くから知られていたということです。
 実際の診療では、人間関係に悩む方の胃の痛みなどの上腹部症状、言いたいことが言えない状況の方の咽の詰まり感や頚部痛、不安を抱える方の腰痛や頻尿など泌尿器症状などはよくみられる例です。治療は各々に対応したカラー治療のやり方がありますし、前述のように中国伝統医学では病因として感情をとらえているので、それに対応する漢方薬の使い方があります。
 そうして気の流れの改善により症状が軽減し、それをきっかけに心の状態も変化して快方に向かうこともありますが、効果が一時的な場合もあります。原因となった感情的な問題が続いていると、身体に現れた影響を取り除いても、やがて同じ状態に戻っていくと考えます。経絡治療や生薬内服だけでは不十分で、内面的な問題を解決する必要があります。
 当診療所では、カラー治療と並行して行う患者さんとの対話を通じて、感情的な問題の解決を図ります。ただし問題の核心に触れるようなお話ができる関係となるには時間がかかりますし、医者の側からすると技量を試される場面でもあります。人生観に関わるお話にまで至ると治療者自身の人生観も問われることとなり、自分の人生に対する考えの浅さを痛感することもあります。しかし解決を目指して出来るだけ問題の根本に近づくよう心がけています。
 さて、2017年も残りわずかとなりました。今の所、長期予報通り比較的寒い冬のようです。寒くても水を飲むのは忘れずに!(白湯も可です)。 良いお年をお迎えください。

2017年9月21日 心と身体

 毎日患者さんを目の前にして、具合が悪くなった原因を探り、治療上何が大切か考えます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病の診断がついている方は、食生活や運動習慣などの指導が実行できれば、快方に向かうはずです。しかし、思うように実行できない場合があり、やはり、その原因を探します。本人にお話を伺うと、食べ過ぎが悪い、運動すれば良いのは分かっているができていない。仕事や家庭の事情も様々ある。ただ、なぜ自身の健康を優先しないのでしょうか。それはどんな心理状態なのでしょうか。生活習慣病の治療ですが、心の在り方の問題に行きつきます。
 また、はっきりした病名が付かないが慢性的な症状をお持ちの方もあり、経絡治療・漢方治療を続けても改善がはかばかしくない場合は、やはり心の問題に行きつきます。
 もともと現代医学は精神科とその他の身体を診る科に分かれています。心と身体の両方を診る科として心療内科があり、またリハビリテーション科も心理的問題を評価する考え方を持っていますが、いずれも比較的新しい科です。一方、東洋医学では心と体は一体という考え方です。どんな感情が結果的に身体のどこに影響を与えるかについて、ヒントが多く示されています。当診療所での経験もふまえて次回以降ご紹介したいと思います。

2017年5月23日

 私がリハビリテーション科医の勉強を始めて間もなく、我が国では介護保険制度が導入されました。そして、介護の前にリハビリテーションが必要という考え方が採用され、回復期リハビリテーション病棟という制度が設けられ、入院でのリハビリが従前より受けやすくなっていきました。20数年前は脳卒中後に全くリハビリがなされないまま寝たきりになっている患者さんを見るのは珍しく無かったのですが、今では一般の方にも「リハビリが大事」という考えが浸透し、隔世の感があります。
 一方で、医療機関でリハビリテーションを受けられる疾患や期間を制限しようとする動きも目立ってきました。直接寝たきりの原因となる脳卒中や下肢・脊椎の骨折などの疾患に重点が置かれ、入院期間に制限があり、退院後のリハビリは介護施設の通所リハへと誘導されています。医療費のコスト削減という国策にリハビリテーション医療がいいように利用されているのではないかと思ってしまいます。
 当診療所の所長のいうように「ほぼすべての方にリハビリテーションの適応がある」はずです。今後も必要な方に必要なリハビリを提供できるようにするにはどうしたらいいか、知恵を絞る必要がありそうです。

2017年4月24日

 私が初めて病院を受診したのは、中学生の時で膝の痛みを診てもらいました。診察後に医師からはただ部活を休めというだけで、あまり説明してもらえなかった記憶があります。今思えば異常所見がなく、親も一緒でなかったためだろうと理解できますが、当時は聞き返す勇気も無く、釈然としないままでした。後年、鍼灸に通っていたのは若い先生がよく話を聞いてくれたためでもあったと思います。
 自分が医者として病院で外来を担当している頃は、十分にお話を聞きたい気持ちはあっても、私の要領が悪いこともあり、時間通りに診療をすすめることとの両立は難しいことでした。
 診断のための問診は技術であり、身に付ける方法論があります。将来、人工知能にとって代わられるかもしれません。では、人間である医者しかできないことってあるのでしょうか。
 当診療所では経絡治療と並行して患者さんとの対話時間が十分にあります。その間にお話しを聞くだけでなく、病状を説明し、生活指導を行い、心理的・社会的問題を整理し解決法を一緒に考えたりします。その、患者さんを深く理解しようと過程自体が、ある種の「癒し」をもたらすのではないか。それこそ人間にしかできないことだろうと、この診療所での体験を通じて思い至っています。

2017年3月21日

 私は、高校時代に膝の他、アキレス腱や脛の痛みなど、よくあるランニング障害をいくつか経験しました。その際に知りたかったことは
どうしてこうなったか(原因)
どうすれば治るのか(治療)
どうすれば再びならないのか(予防)
ですが、当時かかった医療機関や治療院、部活の監督に訊いても明確な答えはありませんでした。自分で本を読み、試行錯誤しましたが、高校時代に本格的に練習に復帰することはできませんでした。
 今の自分が、当時の自分を治療したら…外傷とリハビリテーションの知識に、経絡治療、漢方も組み合わせればそこまで長引かないで済んだろうし、疑問にも答えられたと思います。
 多くの患者さんもかつての私と同じような疑問をお持ちでしょう。統合医療の観点を以てしても、すべてに答えが用意されている訳ではありませんが、昔の自分の気持ちを思い出して、患者さんに応えたい、と改めて思います。

2017年2月20日

 あなたは15歳頃、どんな夢を持っていましたか?
 私の場合は、高校時代の部活で膝を痛めたのをきっかけに、進路を思い描いていました。ストレッチングや筋力トレーニングを勉強するうち、最初はスポーツトレーナーに憧れがありました。当時日本では養成校など無い時代、体育系の大学を目指せる素質も無く断念。一方、膝の痛みが長引いていたため、先輩が紹介してくれた鍼灸院で治療を受け、食や感情によっても病気が起こる事を教わり、東洋医学に興味を持ちました。鍼灸師になることも考えましたが、漢方薬も含めて治療の手段が広い医師を目指すことにしました。
 以後は、すんなりとはいかず、紆余曲折を経て、でも沢山の助けがあって…現在この診療所で15歳の頃の夢が(やや形を変えてですが)全部叶っています。今後この場を借りて、これまで患者として感じた事、医師の立場で考えたことなどを書いていくつもりです。

2017年1月20日

 新年明けましておめでとうございます

 先日の大雪で一気に新潟の冬らしくなりました。この時期、冷えの体質の方で痛みやしびれなどの症状の悪化がよく見られます。当診療所では冷え症を悪化させる甘い物の摂取を控えるようお話し、運動を促したうえで、漢方で体質改善を図ります。
 冷え症の改善を目的とした処方はいくつかあり、体質と他の症状を勘案して使い分けます。私がしばしば用いる処方に、苓姜朮甘湯という処方があります。下半身が冷えて腰が痛むという症状の方に用いるのですが、以前劇的に効いた患者さんがありました。
 腰痛を訴える70代の男性に2週間処方したのみで、症状がほぼ軽快したのです。ただし、この処方でこんな効き方をした経験は後にも先にも1度きりです。漢方を処方し始めて間もない頃でしたので、驚きもあってずっと印象に残っています。
 漢方というと、長期間服用しないと効かないというイメージがあり、確かに数か月間の服用で初めて変化が見られる場合も多いのですが、「証」がぴたりと合うと思わぬ効果が現れることがあります。私は初心の段階で漢方の持つ力をうかがい知る、貴重な経験を得ました。漢方の症例集を読んではいましたが、実際の体験とはインパクトが違います。所長曰く、漢方は本を読んでも使えるようにはならない。経験が必要ということです。修練はこれからも続きます。

2016年1月20日

 新年明けましておめでとうございます。
 先週から新潟の冬らしい天候となり、ようやく平野でも積雪がみられてます。
 さて、今年は2年に1度の診療報酬改定が4月に控えています。医療費の総額を抑制する国の方針のもと、限られた予算をどの分野に振り分けるかが焦点です。抜本的な医療改革の機運が高まるには至っていないようです。
 一方で戦後70年を経過し、戦後生まれの方々もシルバー世代に差し掛かっています。またインターネットの普及で医療情報が手に入りやすくなったこともあり、従来の医者と患者の関係が変化してきていると思います。ともすれば対症療法に終始しがちな現代医療の在り方や、外来診療時間が短いために十分説明を受けられない等々に不満を持つ方が増えていると感じています。
 診療報酬をもとに運営される一般の医療機関では、対応しにくい問題です。当診療所のように統合医療を目指す医療機関へのニーズは増々高まるでしょう。
 多くの方々の期待に応えられるよう、診療に従事させて頂きたいと存じます。
 本年もよろしくお願いいたします。

2015年12月21日

 新潟では例年になく日差しを見る事が多い12月です。今年を振り返ると社会的にも個人的にもめまぐるしい1年でした。多くのニュースの中で私が注目したのは、世界的に大手の自動車メーカーと電機メーカーの不正が発覚したことです。金儲け主義が世界中に蔓延する中(医療も影響を受けています)、その行く末を暗示していると感じます。
 激動の中、未来への新しい芽を探しつつ迎える年の瀬です。
 皆様、良いお年をお迎えください。

2015年11月24日

 今回は、診療所の本棚についてです。受付の横の一角に、所長の蔵書からなる本棚が設置され、患者様およびスタッフに向け貸し出されています。並ぶ本のテーマは宇宙、波動、魂、臨死体験、高次元、秘教、チャクラ、隠された権力構造…等々、一般には「スピリチュアル」に分類される本が多くあります。これらを勧める所長の意図は何でしょう?
 私は、混乱した現在の世界を理解し、関心の向く先を拡げ将来への展望を開くために必要な、基礎的な知識、考え方を身に付けるためだと思います。先日(2015年11月13日)のパリ同時テロを例に引くまでもなく、世界はテロ事件や内戦が続き政治、経済の混乱は加速しています。いったい何が起こっているのだろう? これからどうなるのか? 不安が募ります。マスコミのニュースやネットで得られる情報も断片的で、かえって本質が見えなくなるように思います。ただし、表に現れる現象から、水面下で何が進行しているのか、推測は可能だと思います。そのためには、そもそも人間とはどういう存在なのか、この宇宙の仕組みはどうなっているのか、そして今の時代の位置付けを知ることが必要です。
 不安は病気に直接影響することもあれば、誤った食行動や嗜好品の耽溺に結びついて健康を害することにもなりかねません。診療所の本棚あるいは「所長のメッセージ」にも、今の世界で起こっている事を読み解くヒントがあります。ぜひお読みください。

2015年8月20日

 猛暑が続いた1ヶ月でした。お盆を過ぎて、ようやく朝晩涼しい日が出てきました。それまでは途中に肌寒いと感じる日はなく、ずーっと気温が高かったのが、この夏の特徴だと思います。 診療中は、熱中症予防と夏ばて、夏風邪、冷房などによる冷えが無いかを特に注意しています。これからの季節、暑さが続けば疲労の影響、気温差が大きくなれば風邪が増えるのを心配しています。
 カラー治療で、飲水の不足を表すカラーがあります。老廃物、腎機能、むくみ、脳血流関係などですが、ご本人は特に症状無く、またある程度水を飲まれていても反応が出ることがあります。暑さのため発汗が増えていつも通りの飲水量では足りなくなっていると考えられます。私自身も夏場は普段より500ml〜1L多めに摂取しています。
 夏ばての原因のうち、慢性的な水不足も重要と考えています。これからの季節も水を多めにとって頂きたいと思います。

2015年7月21日

 しばらくお休みしてしまい、すみませんでした。
 7月13日、新潟県内では上越の高田などで気温が38度を越える猛暑となりました。それまでは日中と夜間早朝の気温差が大きく、また梅雨入りしてからは湿気はあるものの雨が少ないようでした。もはや、例年並みという気候では無くなってしまったようです。
 診療の場面では、5月頃から帯状疱疹などのウイルス疾患の方が目立ち、また6月になっても風邪症状が強い方が何人かありました。昨年もお伝えしましたが、通常、気温と湿度が高いと風邪ウイルスには不利な条件で、夏場に風邪が流行するのは2009年の新型インフルエンザ以来のことです。今年は昨年までとも違う、この地に暮らす人間にとっては厳しい気候環境になってきたと感じます。
 繰り返しになりますが、ウイルス疾患が出るということは人体側の免疫がバランスを崩しているサインです。警報アラームといってもいいでしょう。何人もの方々にカラー治療でウイルスの反応を見ていると、まるでアラームが鳴り響いているように感じます。それには必ず、原因があります。飲水の不足、食べ過ぎ、過労、ストレス、運動不足…etc. 患者さんに伺うと、思い当たることがいくつか出てきます。
 それらが、今までよりも、体調に与える影響が大きいと、認識を改めて下さい。そして、慢性の病気が続いて起こることを未然に防ぎましょう。


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