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【漢方】煎じ薬とエキス剤の違い

賀春

本年もよろしくお願い申し上げます

煎じ薬とエキス剤の違い

生薬四逆散

テレビCMや新聞広告で「痛み」「耳鳴り」「頻尿」と見聞きすると、ついどんな薬の宣伝?と気になります。製品名は違うけど、もとは漢方の○○だ!ということもあるし、はっきり漢方と謳っている場合もありますね。また、ドラックストアで漢方コーナーを設けている所が増えていると感じます。それらは顆粒か錠剤になっていて、すぐに服用できるようになっています。対して、当診療所で処方するのは生薬で、ご自宅で煎じて薬液を作って頂いています。→漢方薬→漢方薬の煎じ方・飲み方・保存方法

煎じ薬と顆粒・錠剤

実は、顆粒や錠剤の漢方も、ほとんどが生薬を煎じたうえで加工したもので、エキス剤と呼ばれます(一部ですが、生薬そのものを粉末にした散剤や、それを丸薬にした製剤もあります)。では何故当診療所が生薬を処方しているのでしょうか。以下に理由を挙げてみます。

  1. 生薬の加減
    漢方薬は何種類かの生薬を組み合わせて処方します。それぞれの処方は先人の使用経験から目安となる分量が知られていますが、本来は患者さんの状態に合わせて加減するものです。薬局で購入する漢方は、メーカーで製造されているので生薬の割合を変えたり、生薬を加えたり、除いたりができません
  2. 体質に合わせた処方
    メーカーの漢方でも体質に合うことはあるでしょう、しかし、診療していて実感するのは、患者さんの体質は千差万別だということです。それに対応するにはどうしても処方の加減が必要です。また慢性疾患の体質改善のためには、生薬の分量を細かく変化させながら服用を続けていく必要があり、加減できる生薬煎じ薬が最適です。
  3. 生薬の品質管理
    農産物に等級があるように、生薬も産地などにより品質に差があります。処方の際、生薬の品質に合わせて分量を変えるべきです。当診療所では、一級品の生薬を採用し、自院で管理しています。
  4. ご自身で治療していくこと
    煎じ薬は面倒に感じる方もあるかもしれませんが、病気を自分で治していくという意識づけの為にも、取り組んで頂いています。

※なお、煎じるのが難しい等事情のある場合はエキス剤を処方する場合がありますので、受診の際ご相談下さい。

大澤

2023年1月18日

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