ブタクサとセイタカアワダチソウ、何が違う?
季節はすっかり秋めいて、散歩中キンモクセイの甘い香りがしたり、ススキが青空に向かってそよいだりしていました。そのススキの近くに必ずと言っていい程、鮮やかな黄色の花、セイタカアワダチソウの群生があります。実はこれ、秋の花粉症の代表格であるブタクサとよく間違われるのです。
先日もこんな出来事がありました。アレルギー性鼻炎の患者さんが、車窓から遠くの黄色い花の群生を見ただけで鼻がムズムズしてくると話されていて、どうもセイタカアワダチソウをブタクサと思い込んでいたようです。
ブタクサ(豚草)もセイタカアワダチソウ(背高泡立草)も、どちらも秋に黄色い花を咲かせる北アメリカ原産の外来種ですが、花粉症を引き起こすのはブタクサの方です。ブタクサの花は地味な黄色~黄緑色であまり目立たず、葉はギザギザで切れ込みが深く、一方セイタカアワダチソウの花は鮮やかな黄色で目立ちやすく、葉は細長く切れ込みがありません。
ブタクサ
セイタカアワダチソウ
秋の花粉症に漢方薬「小青竜湯」が効果的
秋の花粉症を引き起こす植物はブタクサの他にもヨモギやカモガヤなどがあります。春のスギやヒノキの花粉症同様、秋の花粉症も鼻炎症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ)や目のかゆみ、咳などを生じます。
当院ではこれらの症状に対して漢方薬を処方(症状によっては抗アレルギー剤を併用)していますが、水様性の鼻水がひどい場合、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)がよく処方されます。小青竜湯は五味子(ゴミシ)という生薬の酸味が独特で、すっぱ苦くて飲みにくいと言う方もいますが、私も味見したことがあり、爽やかな酸味で飲めました。
花粉症の人が食べ物に反応する「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」とは?
花粉症の方が特定の果物や野菜を食べたときに、口の中や口唇、喉にかゆみやイガイガ感などのアレルギー症状を引き起こすことがあり、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS:pollen-food allergy syndrome)と呼びます。これは、花粉のアレルゲン(原因物質)と、果物や野菜に含まれるタンパク質の構造が似ている(交差反応)ために起こります。
秋の花粉症であるブタクサやカモガヤは、ウリ科の食物であるメロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリと、ヨモギはセロリやマンゴーなどと交差反応を起こしやすいと言われています。症状は原因食物を摂取してから数分~15分以内に生じます。
花粉症のある方でこのような症状が出る場合は、PFASを疑い、症状の出た食物を控えるようにして下さい。あるいは加熱調理したものであれば、タンパク質成分が変化して摂取可能となる場合もあります。
秋のこの時期に、花粉症状や食物摂取後の口腔・咽頭違和感がある場合、主治医にご相談下さい。

